2019年12月16日
沖縄美ら海水族館ではこの度、世界初となる「オニキホウボウ」の展示を開始しましたのでお知らせいたします。
≪オニキホウボウ≫
学名:Gargariscus prionocephalus
英名:Jaggedhead gurnard
和歌山県以南の太平洋岸沖からオーストラリア北西岸沖の深海底に生息する稀種。
キホウボウの仲間は全身が甲冑のように固く、口先から2本の突起(吻突起)が伸びている姿が特徴であるが、本種は頭部の骨が全体にのこぎり状に伸びるきわめて特異な形態をしている。
本種は底引き網漁などで希に漁獲されることがあるが、その生態はほとんど知られていない。
沖縄美ら海水族館「深海への旅」コーナー
1個体 全長約25㎝
※生物の状況により展示を終了することがあります。
今回展示に成功したオニキホウボウは、2019年10月に沖縄本島沖の水深約350mの海底からROV (無人潜水艇)を使用して捕獲しました。
海底では、胸鰭の一部(指状鰭条)を使って歩くように移動する姿や、胸鰭を広げて滑空するように遊泳する姿、下顎にあるヒゲを動かす行動など、世界的にも例のない本種の生態観察にも成功しています。捕獲後、水族館に持ち帰った後は、加圧水槽で14日間の減圧治療を施し、摂餌も確認したため、今回の展示に至りました。
ユニークな形をした非常に珍しい深海魚「オニキホウボウ」をぜひご覧ください。
沖縄美ら海水族館では、引き続き本種の生態解明に繋げるべく、飼育観察およびROVを使用した深海調査を続けていきます。