【穴だらけの秘密】

みなさん、はいさい!
深海生物担当のSです!!
「わくわくアクアラボ」にて開催中の特別展「海のビックリすご技展」の中から
今回はカイメンについて紹介していきますよ~!!


上の写真は「タカツキカイメン」という深海に生息するカイメンの仲間です。
眼も鼻も口もないこの生き物、植物?動物?どちらだと思いますか?
 
正解は動物です!海水に含まれている有機物など、とても小さな餌を体に取り込んで栄養にしています。
 
しかし、口がないのに、どうやって餌を取り込むのでしょうか?
その秘密は、体の構造にあります!

上の写真を見ると、体の表面にポコポコと穴が開いていますね。
実は、カイメンの体には無数の穴が開いていて、細胞に生えた鞭毛(べんもう)と呼ばれる毛が水流をおこすことで、穴の中に水を引き込みます。
その際に、鞭毛に引っかかった有機物を体に取り込んでいるんです!
穴だらけの体のおかげで、餌を含んだ新鮮な水を取り込むことが出来るんですね!!
 
そしてなんと、このタカツキカイメンの無数の穴を利用している生き物がいます!!

それが上の写真の「カラクサシリス」というゴカイの仲間です!!
この糸のように細いゴカイが、タカツキカイメンの体全体に張り巡らせるようにして穴に棲みついているんです!

下の画像は、ROV(無人潜水艇)のアームでタカツキカイメンを持ち上げた際のひとコマです。
異変を感じたカラクサシリスが、タカツキカイメンの中からうようよと出てきていますね。


タカツキカイメンの穴の中は餌が豊富な環境で、さらに天敵から身を守るための隠れ家になります!
カラクサシリスが棲みたくなるのも無理ありませんね。
 
「すご技展」では、タカツキカイメンとカラクサシリスについてさらに詳しく紹介しています!
また他の生き物のすご技も、パネルや動画でたくさん紹介していますので、水族館に訪れた際はぜひゆっくりとご覧になってください!
  • 海洋博公園・沖縄美ら海水族館公式Facebook
  • 沖縄美ら海水族館