【続 怪奇!消えるウミサボテンの謎を解け!!】

水族館で「トゲウミサボテン失踪事件」が発生した!?
不安で眠れない夜を過ごした飼育員たち。
翌朝、沖縄美ら海水族館の深海コーナーをのぞいてみると・・・
 
飼育員N(以下N)「い、いた。本当に…いた。」
むぎゅ(頬をつねる音)
N「い、いた、いたたた…。どうやら夢じゃなさそうだ。」
飼育員S(以下S)「朝から1人で何やってるんですか?ほっぺが赤くなっていますよ。」
N「あ、Sやん。いたんだよ!昨日いなくなってしまったトゲウミサボテン属の一種(以下、トゲウミサボテン)が!」
S「ほんとですねぇ・・・って、あれ?昨日いたのは水槽の真ん中だったはずなのに、場所がずいぶんと変わっていませんか?」


N「ん?そうだっけ??確かに言われてみればそんな気もする・・・。」
飼育員H(以下H先輩)「ふむ、やはり出てきたか。それにしても、昨夜はずいぶんと移動したようだな。」
N「あ、H先輩。トゲウミサボテンはどこに隠れていたんでしょうか?そして、夜の間にいったい何が?」
H先輩「うむ。実はこのトゲウミサボテンは砂の中にもぐるんだ。そして砂の中をモグラのように移動することができる。」

N「え!砂の中を移動するんですか・・・?!」
S「ふふふふ。」
N「ん?急に不気味な笑い方をしてどうしちゃったの?Sやん。.」
S「実は、昨日H先輩に言われて、ビデオカメラをセットしておいたんですよぅ。何が映っているのか、早速確認してみましょうよ♪」
ピッ(ビデオを再生する音)


N「おぉぉおおお!ほんとうに砂の中にもぐって、違う場所から出てきてる!サンゴの仲間がこんなことをするなんて信じられないや!」
H先輩「うむ。私も初めて見た時には驚いた。トゲウミサボテンはどうやら夜に砂にもぐって移動するようなのだが、こんな行動が確認できたのは、実は世界で初めてのことなんだ。」
S「えー、すごーい。水族館で長く飼育観察を続けてきたからこそ観察できた、というわけなんですね!」
N「深海底では観察できない姿も、水族館ではつぶさに観察できますもんね!私も、いつか誰も見たことがないような生態を発見してやるんだ!」
H先輩「うむ。立派な心意気だ。そのためには、まずは飼育生物が健康的に過ごせるよう、しっかりと飼育環境を整えてあげるんだよ。」
N,S(二人同時に)「はいっ!」
 
 
トゲウミサボテン失踪事件の真相は、誰も予想だにしなかった「トゲウミサボテンが夜間砂中にもぐり、モグラのように移動していた!!」という結末であった。
このお話を紡いでいる最中にも、もしかすると、まだ見たこともないような生き物たちの驚きの行動が繰り広げられている・・・のかもしれない。
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