- 美ら海だよりトップ
- 【琉球弧の水辺エリアを2倍楽しむための裏話Vol.5~飼育員に聞いてみた!ミヤコトカゲの展示レイアウト誕生秘話~】
- 7時間前
【琉球弧の水辺エリアを2倍楽しむための裏話Vol.5~飼育員に聞いてみた!ミヤコトカゲの展示レイアウト誕生秘話~】
はいさい~飼育員のHです。
今回も前回に引き続き、展示レイアウトの作製に関してです。
今回は、「ミヤコトカゲ」の展示レイアウト作製について、作製者のSさんとOさんにお話をお伺いしようと思います!

H:早速ですが、このレイアウトのコンセプトを教えてください。
S:ミヤコトカゲは、日本で唯一、海辺を主な生息域とするトカゲで、日本では宮古諸島のみに生息します。
潮が引くと潮だまりの周辺まで降りてきて餌を探すなど、とてもユニークな生態を持っています。
沖縄の海岸には琉球石灰岩が多く、波によってえぐられた「ノッチ」と呼ばれる独特な地形が見られます。ノッチは場所によっては90度を超える角度になることもありますが、ミヤコトカゲはそうした急な地形も気にすることなく、上下に自在に動き回ります。
その行動や生息環境を、できるだけそのままお客様に感じていただきたいと考え、ノッチのある海岸をイメージしたレイアウトにしました。
H: トカゲなのに海岸で暮らすとは・・・!
とても面白い生態ですね!
背景に宮古諸島の風景があったり、水槽の中に沖縄の海岸で見かける「ノッチ」がおかれているのは、彼らの生息環境だったからなのですね!
しかし、展示に出ているノッチはどこからもってきたのでしょうか。外から削ってとってきたのですか?
O:実はこのノッチは本物ではありません。いわゆる「擬岩」になります。材料にはウレタンフォームを使用しました。90度を超える角度を出せるように積み重ねたものを刃物で大まかに削って整えた後に、ハンダごてで溶かしながら、自然の石灰岩に見られる凹凸や表面構造をひとつひとつ作り込んでいきました。


水槽内に設置する以上、まず大前提として、展示するミヤコトカゲに悪影響を与えないことを最も重視しました。そのうえで、野生下で見られる海岸部の石灰岩基質の環境をできる限りリアルに再現すること、そして日常管理のしやすさや耐久性といったメンテナンス性も重要なポイントとして設計しています。
着色には有機溶剤を含まない水性アクリル塗料を使用していますが、長期間使用しても塗装が剥がれにくいよう、下地処理も丁寧に行っています。色も一色ではなく、複数の色を何度も重ねることで、自然な質感と奥行きを表現しました。



今回の制作では、私自身の趣味でもある模型工作の技術を存分に活かしています。また、このレイアウト制作を通して、新たな発見や次につながるヒントも得ることができました。
ぜひ、次の作品にもご期待いただければと思います。

H:なんと、ノッチの凹凸一つ一つがハンダごてで作られたものだとは・・・!
模型工作で培われた、造形の腕の高さが垣間見えますね!
ノッチの製作期間はどれくらいかかりましたか?
また、実際に展示に出してみて困った点は何かありましたか?
S: 製作期間は実質10日ぐらいですね。実際に展示に出してみて困った点は、
擬岩の裏にミヤコトカゲが潜り込んでしまったことです。
隙間をスポンジで埋める→別の場所から潜り込まれる、を繰り返しました。
展示側に隠れ家を増やすなどすることで、裏には潜らなくなりました。
ミヤコトカゲは、日光浴をして体温を上げるために、暖かいところを好みます。
潮が引いた砂地部分を利用する様子をお客様に見ていただきたかったため、
擬岩の下部に熱源ライトを当てるようにしました。
ですが、水槽の高さと使用できる熱源ライトのパワーの都合で、
擬岩下部がなかなか暖かくならず、利用してもらえないことにも困っております。
熱源ライトを水槽の中に入れることで高さを下げる等、様々な工夫を凝らしましたが……いまだに多くの時間を擬岩の上部で過ごしています。そこの改善はこれからの課題ですね。
H:実際に製作、導入をしてから生じる問題もあるのですね… しかし、私も毎日ミヤコトカゲたちの様子を見ていますが、ノッチを上り下りしてふんだんに利用しているのを見ると、快適に過ごせているのかと思います!
SさんOさん、ありがとうございました!
みなさんいかがでしたか?利便性を求めながら、これだけリアルな擬岩を作ることはなかなかできないことだと思います。
今後の水槽で、どんなリアルな擬岩が出きるのかも楽しみです!
次回予告
【琉球弧の水辺エリアを2倍楽しむための裏話Vol.6~迫りくる外来種の猛威!?琉球列島に生息するマイマイたち】
です。お楽しみに!
今回も前回に引き続き、展示レイアウトの作製に関してです。
今回は、「ミヤコトカゲ」の展示レイアウト作製について、作製者のSさんとOさんにお話をお伺いしようと思います!

H:早速ですが、このレイアウトのコンセプトを教えてください。
S:ミヤコトカゲは、日本で唯一、海辺を主な生息域とするトカゲで、日本では宮古諸島のみに生息します。
潮が引くと潮だまりの周辺まで降りてきて餌を探すなど、とてもユニークな生態を持っています。
沖縄の海岸には琉球石灰岩が多く、波によってえぐられた「ノッチ」と呼ばれる独特な地形が見られます。ノッチは場所によっては90度を超える角度になることもありますが、ミヤコトカゲはそうした急な地形も気にすることなく、上下に自在に動き回ります。
その行動や生息環境を、できるだけそのままお客様に感じていただきたいと考え、ノッチのある海岸をイメージしたレイアウトにしました。
H: トカゲなのに海岸で暮らすとは・・・!
とても面白い生態ですね!
背景に宮古諸島の風景があったり、水槽の中に沖縄の海岸で見かける「ノッチ」がおかれているのは、彼らの生息環境だったからなのですね!
しかし、展示に出ているノッチはどこからもってきたのでしょうか。外から削ってとってきたのですか?
O:実はこのノッチは本物ではありません。いわゆる「擬岩」になります。材料にはウレタンフォームを使用しました。90度を超える角度を出せるように積み重ねたものを刃物で大まかに削って整えた後に、ハンダごてで溶かしながら、自然の石灰岩に見られる凹凸や表面構造をひとつひとつ作り込んでいきました。


水槽内に設置する以上、まず大前提として、展示するミヤコトカゲに悪影響を与えないことを最も重視しました。そのうえで、野生下で見られる海岸部の石灰岩基質の環境をできる限りリアルに再現すること、そして日常管理のしやすさや耐久性といったメンテナンス性も重要なポイントとして設計しています。
着色には有機溶剤を含まない水性アクリル塗料を使用していますが、長期間使用しても塗装が剥がれにくいよう、下地処理も丁寧に行っています。色も一色ではなく、複数の色を何度も重ねることで、自然な質感と奥行きを表現しました。



今回の制作では、私自身の趣味でもある模型工作の技術を存分に活かしています。また、このレイアウト制作を通して、新たな発見や次につながるヒントも得ることができました。
ぜひ、次の作品にもご期待いただければと思います。

H:なんと、ノッチの凹凸一つ一つがハンダごてで作られたものだとは・・・!
模型工作で培われた、造形の腕の高さが垣間見えますね!
ノッチの製作期間はどれくらいかかりましたか?
また、実際に展示に出してみて困った点は何かありましたか?
S: 製作期間は実質10日ぐらいですね。実際に展示に出してみて困った点は、
擬岩の裏にミヤコトカゲが潜り込んでしまったことです。
隙間をスポンジで埋める→別の場所から潜り込まれる、を繰り返しました。
展示側に隠れ家を増やすなどすることで、裏には潜らなくなりました。
ミヤコトカゲは、日光浴をして体温を上げるために、暖かいところを好みます。
潮が引いた砂地部分を利用する様子をお客様に見ていただきたかったため、
擬岩の下部に熱源ライトを当てるようにしました。
ですが、水槽の高さと使用できる熱源ライトのパワーの都合で、
擬岩下部がなかなか暖かくならず、利用してもらえないことにも困っております。
熱源ライトを水槽の中に入れることで高さを下げる等、様々な工夫を凝らしましたが……いまだに多くの時間を擬岩の上部で過ごしています。そこの改善はこれからの課題ですね。
H:実際に製作、導入をしてから生じる問題もあるのですね… しかし、私も毎日ミヤコトカゲたちの様子を見ていますが、ノッチを上り下りしてふんだんに利用しているのを見ると、快適に過ごせているのかと思います!
SさんOさん、ありがとうございました!
みなさんいかがでしたか?利便性を求めながら、これだけリアルな擬岩を作ることはなかなかできないことだと思います。
今後の水槽で、どんなリアルな擬岩が出きるのかも楽しみです!
次回予告
【琉球弧の水辺エリアを2倍楽しむための裏話Vol.6~迫りくる外来種の猛威!?琉球列島に生息するマイマイたち】
です。お楽しみに!




