The Churaumi Okinawa Churaumi Aquarium

沖縄の海との出会い

沖縄の海は広くそして深い

1mを超えるマグロやシイラが小さく見えるほどに悠然と泳ぐジンベエザメやナンヨウマンタ。まわりを泳ぐいろいろな魚たちの群れ。スクリーンを見ているような巨大な水槽。

テレビや雑誌などでよく見る映像です。これは「黒潮の海」という沖縄の海と生き物たちの環境を再現している数々の展示水槽の中のひとつ。沖縄の海を再現している中のワンシーンです。
エメラルドグリーンの青い海、白い砂浜おだやかな亜熱帯のビーチ。一般的には沖縄の海と言うとそんなイメージだと思います。でも大水槽を見た人はその先にマンタやジンベエザメが泳ぐ海があるのだと、想像の領域が少し広がったことでしょう。

沖縄の海の生物を取り巻く環境には三つの大きな特徴があります。先ず、南西諸島の北西側を流れる巨大な暖流―黒潮、次に島々を縁取るサンゴ礁、三番目が琉球海溝、沖縄舟状海盆という深い海です。
黒潮の強い流れはずっと南の生物を沖縄へ、更に北へも運び、高い水温は周辺の気象にも大きく影響します。南の強烈な太陽光線に加えて、この黒潮の高水温により、島々を取り巻くサンゴ礁が形成され、多種多様な生物がくらしています。

水族館は皆様と海、そして海の生き物たちを結ぶ窓口です。沖縄の海に生息する多彩な南海の生き物たちを存分にお楽しみください。

Column 01

サンゴは植物と同じに思われがちだけど、イソギンチャクなんかと似た生物だっていうことは知ってますか?

その小さな生き物が集まった集合体がサンゴなんです。
さらに浅い海に多いサンゴは褐虫藻という藻類を共生させていて光合成でできた栄養をもらって成長しているんです。最近問題になっているサンゴの白化は海水が高温になって褐虫藻が逃げ出し、栄養がもらえなくなってる状態なんです。
台風が近海を撹拌すれば水温も下がるんだけど、台風による大雨で海が濁っても褐虫藻が光合成をうまくできなくて困る種類もいる。そうなるとサンゴを住処にしている生き物や隠れ家にしてる幼魚たちも困っちゃうんです。

リアルだからこそ生まれる感動と体験

生き物たちを様々な環境に合わせて飼育展示していく。それは広大な沖縄の海を水槽の中に再現すること。環境ごとに分類して適材適所な飼育とそのコンセプトづくり。

館内の展示はサンゴ礁 黒潮の海 深海と大きく3つの環境に分かれています。館内に入るとまず目の前にあるのがタッチプール。生き物たちに実際に触れることができる展示です。ヒトデやナマコ、ルリスズメダイなどが砂の上のごく浅い水槽で飼育されています。やがて展示は水中に入りサンゴとサンゴ礁にすむ魚たちの展示へと進みます。そこから徐々に沖へ出て黒潮の海、深海へと進んでゆくわけですが、最初に生き物と海水に触れることでガラス(本当は強化アクリル製なのですが)の向こうの世界をよりリアルに見て感じることができるのです。(最後に深海の海水温を触れるところがあるのですがその水温差も体感できます。)

沖縄の海の印象といえば一般的には雑誌などで見るような、ステレオタイプのリゾート的な風景だと思います。白いビーチに青い海といった漠然とした沖縄の海のイメージしかなくても館内を見終わり外に出て眼前に広がる海を見たときにはそこにさまざまな生き物がすむリアルな沖縄の海のイメージを持つことができるわけです。海とサンゴ礁にぐるりと囲まれた沖縄。その北部、本部半島の先端で今実際にここにいるということ。目の前の海にはさっき体感した世界が広がっているというリアルな想像力を掻き立てているのではないでしょうか?県外から来た人たちでもその感動をそれぞれの地元へと持ち帰り、感動というレクリエーション的な側面から海全体への興味を広げてもらう。それも水族館のひとつの役割かも知れませんね。

Column 02

サンゴの仲間にも分裂しながら増えたり、精子と卵の入ったカプセルを放出する種類もいるのです。

それを通常サンゴの産卵と呼ぶんだけど、ほとんどのサンゴの産卵は年に1回。種類によって時期は違ったりするみたい。ちなみに水槽内のサンゴも産卵が観測されています。より自然な環境下にあると言えますね。

サンゴの海の水槽には同じ種類の魚でも幼魚と成魚がいることがあって、色や模様が違ってたりすることがあるんだ。これも自然の海の再現をしているひとつの見どころ。とくにサンゴ礁の魚はそうした特徴も多いから気をつけて見てみるともっと楽しめるよ。

感動のウラにある技術と人の努力と展示のための工夫と想い

まるで自然の中の空間をそのまま持ってきたかのような水槽。この環境を実現・維持するための設備が24時間稼働している。

それぞれの生育環境を再現しながらの飼育展示。そのために必要不可欠な要素はいくつかありますが中でも最も大切なのは。私たち陸の生き物が空気なしではいられないように海の生き物には海水は不可欠なものです。幸いなことにここ沖縄美ら海水族館には目の前にきれいな海があります。強力なポンプで300m沖の水深20m地点から海水を汲み上げています。ろ過器を通した循環海水と新鮮海水を使い分け(あるいは混合で)常に綺麗な海水を送り続けているのです。

ポンプの能力は何と1時間あたり2t最大で3tモノ海水を汲み上げます。あの巨大な「黒潮の海」の水槽(容量7500立方メートルで小学校の25mプールだとざっと20杯!)を約2時間で入れ替えてしまいます。ろ過器は62基とまるでプラントのような設備です。

しかもこれらの設備は機械任せにできるというものでもなく常に音や匂いにも注意を払わないといけない。バックヤードでは高度な設備とそれを管理する職員が常に目を光らせています。これらによって透明度の高い濁りや泡立ちのない展示を可能にしているとともに、(濁りと泡立ちは海水の新鮮さの一つの目安です)餌やりなども量の制限をすることなく何より魚たちを安全に飼育することができます。

Column 03

時間に余裕があるようなら黒潮探検(水上観覧コース)に参加してみるといいです。

「黒潮の海」水槽を上から見られるだけではなく、普通に見ていては気が付かない設備などがびっしりスタンバイしているのが見られます。

ちなみに沖縄近海の水温を計るのに陸にあまり近いと正確な水温がわかりにくいので、このポンプから汲み上げた海水温を海上保安庁もデータとして使っているらしいですよ。

設備だけではカバーしきれないことも多い。そのためには高い飼育技術と工夫が必要。見せるために見えないところで人的なノウハウと裏付けがある。

「サンゴの海」水槽などは比較的浅い水域に生息している生き物が中心ですから、新鮮な海水(こちらは1時間程度で水が入れ替わる計算!)だけではなく、太陽の光も必要としています。「サンゴの海」水槽には太陽光が入るように設計されているので、より自然な明るい状態で生き物を観察できるだけではなく時間や天候で見た目や印象が変わるという楽しみもあります。天気によっては日差しの入り方など刻々と変化する水槽の表情も見どころなのです。

「黒潮の海」水槽の大型の生き物たちは、漁業関係者からの協力もあり、展示に成功している生き物もいます。環境に慣らすための生け簀があり、そこで給餌などに慣らすこともあります。展示の担当だけではなく研究部署の職員も同行して水槽まで大掛かりな輸送をすることもありますし、健康状態を見ながら慎重に運んでいます。深海の生き物は光もなく水圧も高い環境でくらしている生き物ですから、通常の展示環境とは大きく異なります。職員が自ら、あるいは地元の漁業関係者などの協力を得て沖縄近海で採集し、その場で水温差や水圧差によるトラブルをガス抜きなど処置しながらすぐに持ち帰ります。

持ち帰り後、このために開発したという加圧水槽に入れ数日間から数週間ゆっくり時間をかけて減圧して慣らすことによって通常の水圧でも展示できるように適応させています。

Column 04

先に「黒潮の海」水槽があるのがわかっているから、どうしても急ぎがちに見てしまう「サンゴの海」水槽ですが、ゆっくりと見ていると差し込む日差しに沖縄の海を感じることができる。
岩の陰や砂の中にも思わぬ生き物がいて驚くこともあります。

深海ってものすごく深いところのイメージが強いけれど、一般的には200m以上の深さのことを指すんです。この深さでは太陽の光がほとんど届かなくなり植物プランクトンも減ってしまうんだって。

沖縄の海を切り取って、陸の上に再現。
海とそこでくらす生き物を知ることで、海全体へとその想いが広がっていく。

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