魚の健康管理~病気をさがせ編~

お客様に水槽で元気に泳いでいる魚を見てもらうために、
飼育員は水槽の環境を整えたり、餌の工夫をしたりと日々努力しています。

しかし、どうしても死亡してしまう魚もいます。その場合、次の飼育に活かせるように、死亡原因を調べます。
 
そのなかで、一番重要な検査が「病理検査」です。

病理検査とは聞きなれない言葉ですが、薄切りにした臓器や組織の一部を色付けして、
顕微鏡で詳しく観察することで、どこかに異常がないかを診断するものです。

人間の検査をする場合と全く同じことを行います。
 


少し難しいかもしれませんが、手順は以下のとおりです。
・まずは解剖を行い、調べたい組織を切り出します。
 
・脳や内臓組織はとても柔らかく腐りやすいため、薬液で固定し、少し硬くします。
 
・これを「パラフィン(ろうそくの原料)」で、マッチ箱ぐらいの大きさのブロックに固めます。
 こうすることで、調べたい組織を薄く切ることが出来るようになります。




・固まった組織をミクロトーム(薄切り器)と呼ばれる専用の機械で薄くスライスし、観察しやすいよう色をつけます。






・顕微鏡で組織切片(そしきせっぺん)の観察を行い、異常がないか調べます。


このように多くの作業手順が必要になるため、顕微鏡での観察までに一週間ほどかかりますが、
死亡原因を探るためには欠かせない検査なのです。 
 
じつは、こうした病理システムを水族館で独自に実施しているところは世界でもほとんどないのです。
 
沖縄美ら海水族館ならではの、飼育生物に対するこだわりの姿勢とも言えますね。