【サンゴの苗作り体験~その後⑤~】

みなさん、はいさい!
サンゴの苗を今年の3月に作成してから半年が経ちました。


苗サンゴは高水温でも順調に成長してくれており、そろそろ新しい場所にお引越ししないと隣同士でぶつかってしまいそうなくらいの状況です。
大きさを比較してみると、半年間の成長の様子が感じられるでしょうか。



さて今回は、苗サンゴたちが成長に伴ってぶつかりあいそうという事で、サンゴ同士の「ケンカ」についてお話したいと思います。
一度、基質に固着するとその一生をその場所で動かずに過ごしていく(一部例外はある)サンゴがケンカなんて不思議な話ですが、じつは生活空間をめぐってサンゴ達は日々争いを繰り広げています。移動ができないサンゴたちにとって光や水の流れなどの周りの環境条件は生死に関わることです。そこでサンゴたちは様々な方法で生活空間を確保しようとしています。
ある種のサンゴ(ミドリイシ属)は成長速度が他種よりも速く隣接するサンゴを覆ってしまう事で優位を保ちますし、またある種のサンゴ(アザミサンゴ属)は通常の触手を攻撃用の触手(スウィーパー触手、長くて刺胞を多く備えている)に変化させて隣接するサンゴを攻撃したりもします。ほかにも普段は体の中で餌の消化に使っている器官(隔膜糸)を体外に出して相手を溶かしてしまう、なんてこともしています。





成長が緩やかなサンゴたちの「ケンカ」は、私たちからすると静かに行われていますが、時にその「ケンカ」で隣接するサンゴを殺すこともあります。
今日も水槽内では、静かにしかし激しいサンゴたちの空間争いが続いています。
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