【ステイホームのプロ】

みなさん、はいさい!
先日は記録的な寒さとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
こんな時は温かいおうちで過ごすのが一番ですよね。
というわけで、今日はおうちで過ごすのが大好きな(??)深海生物を紹介します。
おうち大好きな深海生物はコチラ・・・

カイロウドウケツという海綿動物・・・・
・・・の中に棲んでいる、ドウケツエビです!


このドウケツエビ、体の小さな頃に、わずかなすき間などからカイロウドウケツの中に入り込み、雌雄一対のペアを作ります(カイロウドウケツの繊維をほぐして中に入り込む例も知られています)。


めでたくペアとなった後は、一歩も外に出ることなくカイロウドウケツの中で一生を過ごすという、究極のステイホーム生活を送るのです!

ドウケツエビの寿命について詳しくはわかっていませんが、当館で過去に飼育したドウケツエビは6年間の飼育記録がありますので、相当な期間をカイロウドウケツの中で過ごすことになります。
こんなにも長い期間を過ごすカイロウドウケツの中、その棲み心地はいかがなものなのでしょうか??
棲み心地について、まずは下の写真をご覧ください。

カイロウドウケツは、海水中の懸濁物(けんだくぶつ)などを濾しとって栄養にしている生き物なので、ドウケツエビが棲んでいる内部の空間はとても水がきれいなんです。
また、カイロウドウケツはたくさんのガラス繊維が組み合わさって体が作られているので、中に棲むドウケツエビは外敵に襲われることなく快適に過ごすことができるんですよ。


食事に関しても、カイロウドウケツの外側にひっかかった餌を、網目状のすき間から小さなハサミ脚を出してつかみ取り、すべてをカイロウドウケツの中で完結することができるんです。
とある論文中では「ドウケツエビ類というのは防犯システムも空気清浄機も完備された高級マンションの一室に夫婦で棲み、食事などの心配もせずに暮らせるため、うらやむ人も多いであろう」というような紹介もされており、そのステイホームぶりは研究者のお墨付きなのです。



さて、今回紹介したドウケツエビですが、内視鏡を使ってカイロウドウケツの中にいる様子を撮影してみました。その様子は沖縄美ら海水族館公式YouTubeで紹介していますので、ぜひそちらものぞいてみてくださいね。
海洋博公園・沖縄美ら海水族館公式YouTube⇒内視鏡によるドウケツエビの観察
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