【穴があったらふさぎたい】
ここは沖縄美ら海水族館「深海への旅」コーナー
何やら戸惑っている様子の飼育員の姿が・・・
飼育員N(以下N)「え?なんでこんなことに・・・。最近展示を始めたばかりの”マーシャルカイロウドウケツ”に穴が開いちゃった!!!」
飼育員S(以下S)「なに言ってるんですか、Nさん。カイロウドウケツにはもともと穴がたくさん開いていますよ!さらに言うなら、海綿動物の仲間なんだから体に穴が開いているのは当たり前です。無数の小さな穴から周りの海水を取り込んで、その中の有機物をこし取って栄養にしている生き物なんですから(どや顔)!」
N「違う違う!それは知っているんだけど、それとは別に、もっと大きな穴が開いちゃっているんだよ!」
S「わ!?ほんとですねぇ・・・。これは大騒ぎしてもおかしくない大穴だ。なんでこんなことになってしまったんでしょう??」
飼育員H(以下H先輩)「灯台下暗し。真相は、意外と身近なところにあるものだ。」
N「あ、H先輩!私には今のところ闇しか見えないのですが、真相は一体どこにあるんでしょうか?!」
H先輩「うむ。この水槽の中で、穴を開けそうな生き物はいないかな?例えばそれは、いつも“ナニか“を背負って生きている。」
S「あ!!さ、さては・・・、穴を開けた犯人は“トウヨウホモラ”ですね!」
H先輩「うむ。実は過去に採集したトウヨウホモラが、深海から小さなカイロウドウケツを背負ってきたことがあるんだ。恐らく今回も、“ナニか”を背負いたいと思っていたところにカイロウドウケツがあったのだろう。疑わしきは罰せずとも言うが、今回は念のため、トウヨウホモラを別の水槽に移動しておこう。」
N「それにしても、きれいにスパッと切り取りましたね!カイロウドウケツには悪いけど、一度切り取るところを見てみたいです。」
H先輩「そうだな。トウヨウホモラがどのようにして、他の生き物を切り取ってくるのかは気になるところだ。よほど上手に切り取っているのだろう、背負われた「ナニか」は、たいていの場合生きていて、トウヨウホモラの背中の上で成長を続けている。」
S「それはすごい!それならカイロウドウケツも元気になってくれるかもしれませんね!」
H先輩「それに、実はカイロウドウケツの修復能力は、かなり高いんだ。何かのアクシデントで穴が開いてしまったとしても、たいていの場合は修復が始まる。」
N「すごいですね・・・!こんなに大きな穴がふさがってしまうなんて!」
H先輩「だが、こうして修復したとしても、適切な環境で飼育を続けていかなければたちまち体は崩壊してしまう。毎日の状態をしっかり観察して、順調に成長してもらえるようサポートしていくんだよ。」
S,N(二人同時に)「はいっ!!」
トウヨウホモラにより(?)、体に大きな穴が開いてしまったカイロウドウケツ。
長期飼育が難しいカイロウドウケツを、無事に成長させることはできるのか?
飼育員たちの今後の奮闘にご期待ください。
何やら戸惑っている様子の飼育員の姿が・・・
飼育員N(以下N)「え?なんでこんなことに・・・。最近展示を始めたばかりの”マーシャルカイロウドウケツ”に穴が開いちゃった!!!」
飼育員S(以下S)「なに言ってるんですか、Nさん。カイロウドウケツにはもともと穴がたくさん開いていますよ!さらに言うなら、海綿動物の仲間なんだから体に穴が開いているのは当たり前です。無数の小さな穴から周りの海水を取り込んで、その中の有機物をこし取って栄養にしている生き物なんですから(どや顔)!」
N「違う違う!それは知っているんだけど、それとは別に、もっと大きな穴が開いちゃっているんだよ!」
S「わ!?ほんとですねぇ・・・。これは大騒ぎしてもおかしくない大穴だ。なんでこんなことになってしまったんでしょう??」
飼育員H(以下H先輩)「灯台下暗し。真相は、意外と身近なところにあるものだ。」
N「あ、H先輩!私には今のところ闇しか見えないのですが、真相は一体どこにあるんでしょうか?!」
H先輩「うむ。この水槽の中で、穴を開けそうな生き物はいないかな?例えばそれは、いつも“ナニか“を背負って生きている。」
S「あ!!さ、さては・・・、穴を開けた犯人は“トウヨウホモラ”ですね!」
H先輩「うむ。実は過去に採集したトウヨウホモラが、深海から小さなカイロウドウケツを背負ってきたことがあるんだ。恐らく今回も、“ナニか”を背負いたいと思っていたところにカイロウドウケツがあったのだろう。疑わしきは罰せずとも言うが、今回は念のため、トウヨウホモラを別の水槽に移動しておこう。」
N「それにしても、きれいにスパッと切り取りましたね!カイロウドウケツには悪いけど、一度切り取るところを見てみたいです。」
H先輩「そうだな。トウヨウホモラがどのようにして、他の生き物を切り取ってくるのかは気になるところだ。よほど上手に切り取っているのだろう、背負われた「ナニか」は、たいていの場合生きていて、トウヨウホモラの背中の上で成長を続けている。」
S「それはすごい!それならカイロウドウケツも元気になってくれるかもしれませんね!」
H先輩「それに、実はカイロウドウケツの修復能力は、かなり高いんだ。何かのアクシデントで穴が開いてしまったとしても、たいていの場合は修復が始まる。」
N「すごいですね・・・!こんなに大きな穴がふさがってしまうなんて!」
H先輩「だが、こうして修復したとしても、適切な環境で飼育を続けていかなければたちまち体は崩壊してしまう。毎日の状態をしっかり観察して、順調に成長してもらえるようサポートしていくんだよ。」
S,N(二人同時に)「はいっ!!」
トウヨウホモラにより(?)、体に大きな穴が開いてしまったカイロウドウケツ。
長期飼育が難しいカイロウドウケツを、無事に成長させることはできるのか?
飼育員たちの今後の奮闘にご期待ください。