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  • 19時間前

【「琉球弧の水辺」エリアを2倍楽しむための裏話Vol.1~美ら海だけ!?クロイワトカゲモドキ~】

はいさい!
飼育員のHです。以前の美ら海だよりでリニューアルオープンした「琉球弧の水辺」をご紹介しました。
今回は展示スペースでは語り尽くせない琉球弧の生き物たちの裏話をしたいと思います。

今回紹介するのはこちら、「クロイワトカゲモドキ」です。



クロイワトカゲモドキは原始的なヤモリの仲間で、沖縄本島のやんばる地域より南に広く生息している種ですが、沖縄諸島の一部と鹿児島県の徳之島には近縁の6種が確認されています。



これまで沖縄本島全域のトカゲモドキはクロイワトカゲモドキ1種とされていましたが、2024年にやんばる地域のトカゲモドキが別種であることがわかり「ヤンバルトカゲモドキ」という種が新しく記載されました。また、この地図を見てみると「イヘヤトカゲモドキ」が生息する伊平屋島とクロイワトカゲモドキ、ヤンバルトカゲモドキの2種が生息する沖縄本島の間にある伊是名島や、「オビトカゲモドキ」が生息する徳之島と前述の2種が生息する沖縄本島の間には近縁種がいません。なお、鹿児島県の与論島にはその下顎の骨だけが知られている「ヨロントカゲモドキ(仮称)」とされる種が確認されていますが、生きている個体は見つかっていません。
 
現在トカゲモドキの分布が確認されていない島は、単に未発見なだけなのか、本当に生息していないのか…も含めロマンがありますね。
 
これらのトカゲモドキ全7種は遺伝的に異なるだけでなく、模様もそれぞれ異なることが知られています。



こちらに載せた「ケラマトカゲモドキ」は極端な例かもしれませんが、ずいぶんとオレンジ色の面積が多い印象でした(飼育員H調べ)。
 
このように種によって模様が異なりますが、実はクロイワトカゲモドキという一つの種の中でも体の模様が違うのです!我々ヒトでも一人一人顔が違うのと同じですね!
 
その話はまた別の機会にお話ししようと思います!
 
そんなクロイワトカゲモドキ、なんと・・・日本で展示しているのはここ沖縄美ら海水族館だけなんです!!(2025年6月
現在)
ご来館の際は、ぜひじっくり観察してくださいね。
 
次回予告・・・
【「琉球弧の水辺」エリアを2倍楽しむための裏話Vol.2~日本で唯一海岸に暮らすトカゲ、ミヤコトカゲ~】

引用:Genetic and morphological studies on Goniurosaurus kuroiwae (Squamata: Eublepharidae), with a description of a new species from the northern part of Okinawajima Island, Ryukyu Archipelago, Japan







 
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