【2022サンゴ苗作りその後&サンゴ幼生を海に!】

みなさん、はいさい!
沖縄はまさに夏真っ盛り。
夏の日差しが「サンゴの海」水槽内にも降り注いでいます。


さて毎年恒例、サンゴの日(3月5日)に行っている「サンゴ苗づくり体験会」で
2022年3月に年パス会員の皆様に作ってもらったサンゴ苗の経過報告です。
 
苗たちも沖縄の夏の日差しをたっぷり受けて、土台を覆いながら順調に成長しています。



まだ大人のこぶしより小さいくらいの苗ですが、一年後には手のひらほどの大きさまで成長していくはずです。今後の成長が楽しみです。年パス会員の方には、来館された際に、苗たちのわずかですが着実な成長を感じていただければと思います。
 
さて今年はサンゴの保全に向けて新たな取り組みがスタートできたので、そのご紹介を少ししたいと思います。
近年の世界的な気候変動の影響などもあり、現在世界的にサンゴ礁は減少していると言われています。
その中で、沖縄美ら海水族館では毎年、飼育しているサンゴ(ミドリイシ属)の一斉産卵(放卵放精)が見られており、多量の良好な状態の受精卵が得られる環境にあります。
今年はその受精卵を採取し、浮遊幼生(プラヌラ幼生)まで予備水槽で育てて、自然の海へと戻すという取り組みを行いました。(※卵を採取したサンゴはすべて沖縄産となります。)




サンゴ(ミドリイシ属)1群体は約24万の卵を出すことが知られていますが、その受精や発生は天候や海況次第です。今回は受精・発生までを人為的に行うことで幼生となる確率を高める試みとなります。
 
今年はおおよそ56万匹のサンゴ幼生を海に返すことができましたが、この中でもうまく着底・成長・繁殖できるものはほんのごく僅かなはずです。
また、幼生を海に返しても、海の環境がサンゴの成育に適していないと着底して大きく成長していくことはできません。
このような取組みを通じて、私たちの暮らしの影響が海洋環境の変化にもつながっていることに少し意識を向けてくれる方が増えると嬉しいです。
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