【強制じゃないよ、共生だよ】

はいさい!解説員のHです。
皆さんは「共生」をご存じでしょうか。強制ではありません。共生です。
他の生き物同士、メリットを得ながら生きることを共生といいます。海にはさまざまな共生をする生き物がいます。         
例えば、イソギンチャクもその1つです。

写真は「ハタゴイソギンチャク」です。
イソギンチャクの触手には毒針があり、触手を使って獲物を捕まえたり、近づいてくる敵から自身を守ったりします。この触手に頼り、共生する生き物たちがいるのです。イソギンチャクと一緒にいる生き物というと「クマノミの仲間」が思いつくのではないでしょうか?


「カクレクマノミ」


薄いピンク色の「ハナビラクマノミ」などがいます。クマノミの仲間は特別な粘液によってイソギンチャクの触手を刺激しないので、毒針に刺されず、イソギンチャクの触手に隠れて、身を守ることができます。また、クマノミたちも隠れるだけではなく、イソギンチャクを食べる生き物を追い払います。

イソギンチャクの中に隠れるのはクマノミだけでなく、

「イソギンチャクエビ」


ヤドカリの仲間の「アカホシカニダマシ」もイソギンチャクに隠れます。
エビやヤドカリにクマノミのような粘液はありませんが、頑丈な甲殻があることでイソギンチャクの触手に刺されることはありません。


また、深海にいる「ヤスリヤドカリ」は、背負っている貝殻にイソギンチャクをくっつけて、敵を寄せ付けないようにします。イソギンチャクの方もヤドカリと共にいることでエサのおこぼれを食べることができます。
種類の違う生き物同士が、一緒に生活するのってとても不思議ですよね。
イソギンチャク以外にも、種類の異なる生き物同士で生活したり、協力したりするものもたくさんいます。水族館でも、イソギンチャクと生き物達が共生する様子が見られますので、ご来館の際に観察してみてください。
  • 海洋博公園・沖縄美ら海水族館公式Facebook
  • 沖縄美ら海水族館