真紅の眼の黒きヤモリ

みなさん、ハイサイ!解説員Hです。
突然ですが、皆さんは眼が赤いキャラクターは好きですか?私は大好きです。
赤い眼・黒い体のモンスターが大好きで、そのダークな雰囲気や幻想的な姿がたまりません。そんな生き物がこの世界に存在していたらなぁと思って色々探していたら、いました!それも沖縄にいました!今日は、当館で飼育しているその生き物の魅力を熱く伝えちゃいます!

それがこちら!
クロイワトカゲモドキ
「クロイワトカゲモドキ」です!沖縄に生息する夜行性の「ヤモリ」の仲間で、常緑広葉樹の林床や沢沿いの岩場などの涼しい場所を好みます。沖縄島とその周辺離島のみに生息し、沖縄美ら海水族館がある海洋博公園内でも姿が見られます。

クロイワトカゲモドキ
クロイワトカゲモドキの特徴といえば、この赤い眼!他の生き物ではなかなか見られない特徴です。私もダークな雰囲気漂うこの赤い眼に惹かれて、クロイワトカゲモドキやその仲間達の魅力の沼にどっぷりハマりました( ´艸`)
眼が赤い理由は、はっきりわかっていませんが、夜行性だからではないかと考えられています。

クロイワトカゲモドキ
人目を惹く派手な姿は「自然界で生きていくのに、目立たないのかい!?」と、思うほどですが、実際に野外で遭遇してみると草木や岩影などの背景に溶け込み目立ちません。当館で飼育している個体も、水槽内の葉や岩の影にうまく紛れて、見つけるのに少し時間がかかることもあります。

クロイワトカゲモドキ
また、頭と背中にはベージュの斑模様がありますが、1匹ずつ模様の形が違うので、個体ごとに見分けることが可能です。

クロイワトカゲモドキ
沖縄では家の中でよく見かけるヤモリと違い、壁に張り付くための趾下簿板(しかはくばん)と呼ばれる毛が、指先にありません。これは原始的なヤモリの特徴です。古代の生物と同じような特徴を持っていることもロマンを感じさせますねえ。

クロイワトカゲモドキ
そして、尻尾がとても太いのもヤモリと違うところです。尻尾に脂肪や水分を蓄えることができるので、長期間エサを食べられなくても飢えを凌ぐことができます。よく餌を食べる個体ほど太い尻尾を持っていますよ。ちなみに、エサを前にするとこの太い尻尾をクネクネと動かすことがあります。そして目を大きく見開いて、エサにしっかりと狙いを定めたら「ぱくんっ!!」と嚙みつきます。見た目の印象と違って、カワイイ動作を見せてくれるところも魅力の一つです。

クロイワトカゲモドキ
このようにとても魅力的な生き物ですが、環境破壊や外来種による捕食、さらには密猟などにより年々数を減らしています。その為、天然記念物や国内希少野生動植物種に指定され、法的に保護されています。沖縄美ら海水族館では、引き続きクロイワトカゲモドキの飼育や研究を通して生態を明らかにし、沖縄県内に生息する希少な生き物の保全や普及啓発活動を続けていきたいと考えています。

クロイワトカゲモドキ
さて、今回はクロイワトカゲモドキの魅力を熱くお伝えしましたが、現在、当館で世界初の繁殖に成功した個体を、水族館出口を出て左手の「琉球弧の水辺」のコーナーで展示しております。当館が行っている研究や調査についてもご紹介していますので、ご来館の際にはクロイワトカゲモドキの魅力をたっぷり感じてください!

※生き物の状況により、予告無しに展示を中止・変更する場合があります。予めご了承ください。

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