【半年後の苗サンゴと新しい仲間たち】

みなさん、はいさい!
もう9月も後半ですが、水槽内の生き物たちはまだまだ強い沖縄の日差しを浴びながら元気に泳ぎ回っています。

サンゴの海」水槽
 
また約半年前にサンゴの苗作り体験で参加者に作ってもらった苗サンゴたちも、ぐんぐん成長してくれていますよ!
(美ら海だより3月15日投稿【今年で6度目!サンゴの苗作り体験2021】)



さて、沖縄では夏場にたくさんのスズメダイの仲間の子供たちが見られます。
最近、「サンゴの海」水槽にも何種類かのスズメダイの子供たちが仲間入りしましたので、
そのお魚たちをご紹介をします。

 
キホシスズメダイ(若魚)
今はまだ4cmほどと小さいですが、成長すると12cmほどになります。
沖縄の一部地域では卵を持つ時期になると、食用の為に水揚げされます。


フィリピンスズメダイ(若魚)
若魚の頃は尾ビレと背ビレ・しりビレの後ろが黄色く、暗い体色とのコントラストが美しいですが成長するにしたがってくすんだ体色へと変化していきます。
 
また中でもダントツに目をひく色合いなのが、こちらのルリスズメダイ

主にサンゴ礁域の3m未満の水深に生息する魚で、沖縄の浅瀬でよく見られる種です。
とっても浅いところにいる魚なので、このような一群を海遊び中に見たことがある方も多いはずです。
 
ルリスズメダイはオス1匹とメス、幼魚数匹のグループを作っています。
オスとメスの違いを外見から簡単に見分けることができる魚の一つで、体色はコバルトブルー色ですが尾ビレの色がオスメスで違います。

尾ビレが青ければオスです。


透明ならメスです。
 
また鮮やかな体色は、皮膚にびっしりと並ぶ虹色素胞(こうしきそほう)という一定の光の波長を反射する「構造色」と呼ばれるもので、実際に青い色素を持っているわけではありません。
同様の構造色はイワシやタチウオなどの銀色の魚にも見られるものですが、ルリスズメダイでは興奮時などに、わずか数分で体色を変化(興奮暗化)させることができます。
 
ちなみに水族館では多数のスズメダイ類を飼育していると、いじめられていたり、調子が悪い個体は黒く体色が変化していることが多いので不調時の目安の一つとなっています。

体色 通常


体色 暗化
 
よく見られる種も少し調べてみると、意外とおもしろい生態を持っています。皆さんも、身近にいる魚をじっくり観察してみてはいかがでしょうか?
 
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