お知らせ
2022年11月14日 展示情報
沖縄美ら海水族館ではこのたび、体が無数に枝分かれするゴカイの仲間「カラクサシリス」をROV(小型の無人潜水艇)調査で採集し、世界初となる生体展示を開始しましたのでお知らせいたします。
≪カラクサシリス≫
学名:Syllis ramosa
頭部は一つしかないが、体軸が幾度も枝分かれすることで、外見が唐草模様のようになるゴカイ類の一種。
2万種を超えるゴカイ類のうち、体が分岐する種はシリス科の3種のみが知られる。
本種は、19世紀末にフィリピンから報告され、国内では2005年に相模湾から報告されたのを最後に、発見の記録が途絶えていた稀種であるタカツキカイメンの内部を棲みかとし、1つのカイメンに1個体のみが共生する。
尾部に向かって体軸を幾度も分岐させることで、宿主であるカイメンの体内から広範囲に栄養を吸収するよう適応したと考えられている。
展示個体はROVを使用し、2022年4月に本部町沖の水深350mより、宿主であるタカツキカイメンと共に採集しました。
展示水槽では、カイメン表面に出現した本種の体の一部が観察できるほか、映像やパネルにて、生態や形態を詳しくご覧いただけます。
画像左: ROVで採集したタカツキカイメンとカラクサシリス(矢印部)
画像右:本種の展示風景
沖縄美ら海水族館「深海への旅個水槽」
2022年11月14日(月)~
3個体
※生物の状況により展示を終了することがあります。