お知らせ

2025年04月18日 施設情報

傾奇者(かぶきもの)のエビ!?新種「カブキドウケツエビ」を発見

このたび、沖縄美ら海水族館では、千葉県立中央博物館の地域連携課長:駒井 智幸 氏と共同で、新種のエビ「カブキドウケツエビ」を発見し、学術誌に新種として報告・認定されましたのでお知らせいたします。

(本種の標本及び生体展示は行っておりません)

カブキドウケツエビ
カブキドウケツエビ(新種)
学名:Spongicola kabuki

2014年8月に行った深海調査により沖縄県本部町の沖合から採集した個体を基に、新種となるエビを報告しました。
ドウケツエビ属の仲間は世界中から13種が知られており、本種は半透明の体に赤い線で構成された模様や、半円形の切りかけを有する槍状の額角を持つことなどが特徴です。沖縄本島周辺にのみ生息し、袋状となるツノサンゴ類の内部空間に雌雄1対で棲みついています。

 


 袋状となるツノサンゴ類の内部に共生する様子

「カブキドウケツエビ」が属するドウケツエビ属の仲間は、これまで六放海綿類とのみ共生することが知られていましたが、本種は 袋状となっているツノサンゴ類の内部空間を生息場所とするなど、従来の常識を覆すような型破りな生態を持ちます。
型破りな行動を好む‘傾奇者’と、さらに歌舞伎の演者がする化粧を連想させるような独特の模様を持つことから、和名と学名を提唱しました。
その後の調査では本種の標本は採集されておらず、非常に珍しい種と考えられます。
 

当館では引き続き、沖縄周辺海域での調査を通して、稀少な深海生物の生態解明に繋げてまいります。

論文について

雑誌: Zootaxa. 5594(3):531-548. https://doi.org/10.11646/zootaxa.5594.3.5
Komai, T. & Higashiji, T. 2025. A distinctive new species of spongicolid shrimp assigned to the genus Spongicola De Haan, 1844(Decapoda: Stenopodidea) from the Ryukyu Islands, Japan.

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