お知らせ
2025年12月05日 展示情報
このたび、2回目となる「グルクマ」の繁殖に成功し、「サンゴ礁への旅 個水槽」にて水族館生まれ水族館育ちとなるグルクマの幼魚の展示を開始いたしましたのでお知らせいたします。

グルクマ(幼魚)
サンゴ礁への旅 個水槽
25個体 全長約15㎝ (ふ化日:2025年7月23日)
※生物の状況により展示を終了することがあります。
当館では、希少種や水産重要種の繁殖や保全を目指した調査研究を進めており、研究用水槽で飼育中のグルクマの受精卵を採取し、育成用水槽で孵化・飼育を行いました。
その後順調に成長し、展示中の幼魚は全長15㎝程度となっています。既に成魚のような体側の縦縞模様がみられるので、「黒潮の海」大水槽で飼育している成魚と見比べながら、その特徴的な姿を是非ご覧ください。
(沖縄美ら海水族館では2019年に本種の繁殖に世界で初めて成功し、日本動物園水族館協会から繁殖賞を受賞しています。)
≪グルクマ≫
学名:Rastrelliger kanagurta
英名:Indian mackerel
太平洋やインド洋の熱帯海域に広く分布するサバの仲間。成魚は全長40cmほどで、体はやや側扁する。マサバやゴマサバに比べると小型で体高が高く、また、背中側は黄緑色の地に黒い斑点列が縦方向に並んでいて、体色や模様も異なる。沖縄県の方言名「グルクマー」が名前の由来となっている。
今回の繁殖および展示成功を通して、飼育下でのグルクマ産卵行動メカニズムや仔魚期の成長等に関する知見を得ることができました。これらの知見は、本種の種苗生産技術や養殖技術に寄与することが期待できます。
沖縄美ら海水族館では、海洋生物の繁殖研究を通して、生態の解明を行っていくとともに、産業振興にも寄与していきたいと考えています。