お知らせ

2024年08月10日 施設情報

世界初!ブラックマンタが産まれました

2024年8月5日(月)、元気なブラックマンタ(ナンヨウマンタの黒化個体)の赤ちゃんが誕生しましたのでお知らせします。

  • 今回産まれたブラックマンタ

  • 出産直後の親マンタ(上)と仔マンタ(下)


出産当日の朝から、母個体の総排泄孔が開く等の出産兆候がみられ、18:55時に胎仔の体の一部が出てきたのを確認、19時02分に出産しました。
生まれた仔マンタは全身が黒色で、体盤幅160cm、体重42kgのメスです。
ブラックマンタが飼育下で繁殖した事例は世界初となります。

今回誕生したブラックマンタ(ナンヨウマンタの黒化個体)

[生年月日] 2024年8月5日(月) 19時02分 誕生
[種名] ナンヨウマンタ
[性別] メス
[大きさ] 体盤幅160cm、体重42kg

 

赤ちゃんマンタはバックヤードの水槽に移され、元気に遊泳しています。水槽への展示の際には、HP等でお知らせいたします。

マンタの繁殖について


マンタの栄養子宮絨毛糸(拡大写真)スケール=1cm

マンタを含むトビエイやアカエイの仲間の繁殖様式は,脂質組織栄養型(子宮ミルク型)胎生というタイプに分類されています。子宮内の胎仔は、発生初期には卵黄に栄養を依存しますが,ある程度成長すると子宮壁に密生する栄養子宮絨毛糸(写真)から多量に分泌される「子宮ミルク」という栄養物質を摂取します。そのため、比較的短い妊娠期間(約1年)で非常に大きく成長することが知られています。

沖縄美ら海水族館では、飼育下におけるマンタの繁殖学的な研究により、子宮内でのマンタ胎仔の呼吸や栄養摂取に関する研究1)や、超音波画像診断装置による成長過程のモニタリング2)など、世界的にも極めて重要な知見を得るなど、数多くの研究成果を発表しています。
さらに、飼育下で誕生したマンタが成熟に至る過程を生理学的に観察した研究3)など、希少種保全に寄与する多くの研究がおこなわれています。


1: Tomita Taketeru, Toda Minoru, Ueda Keiichi, Uchida Senzo and Nakaya Kazuhiro, (2012) Live-bearing manta ray: how the embryo acquires oxygen without placenta and umbilical cordBiol. Lett.8721–724. http://doi.org/10.1098/rsbl.2012.0288

2: Murakumo, Kiyomi, Rui Matsumoto, Taketeru Tomita, Yousuke Matsumoto, and Keiichi Ueda. (2020) "The power of ultrasound: observation of nearly the entire gestation and embryonic developmental process of captive reef manta rays (Mobula alfredi)." Fishery Bulletin 118, no. 1 (2020). doi: 10.7755/FB.118.1.1

3: Nozu, Ryo, Kiyomi Murakumo, Rui Matsumoto, Yosuke Matsumoto, Nagisa Yano, Masaru Nakamura, Makio Yanagisawa, Keiichi Ueda, and Keiichi Sato. (2017) "High-resolution monitoring from birth to sexual maturity of a male reef manta ray, Mobula alfredi, held in captivity for 7 years: changes in external morphology, behavior, and steroid hormones levels." BMC Zoology 2 (2017): 1-8. https://doi.org/10.1186/s40850-017-0023-0


 

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