調査研究活動について

調査研究活動

沖縄美ら海水族館は、動物に関する調査研究を行い、その成果を生き物の保護や育成、生物多様性の保全などに還元する活動を行なっています。

動物に関する調査研究・技術開発

  • ジンベエザメやマンタ等の有用展示動物の育成繁殖に関する調査研究・技術開発
  • ハマダイなど有用な海生生物の産卵・育成等繁殖に関する調査研究・技術開発

スナギンチャクの新属・新種発見

平成17年度の沖縄周辺の深海生物調査において収集した、アカサンゴに付着生息していたスナギンチャク類が新属・新種であることが判明しました。
本研究は、琉球大学准教授、James Reimer博士との共同研究です。同博士の分析では、これまで全く知られていない種であるばかりか、近いグループの種も記録がないことから、新属新種として発表するべきだという提案をいただきました。よって、このスナギンチャクに学名を付け、Reimer博士とその他の研究者と共著で国際紙に論文として投稿しました。

Reimer, J.D., Nonaka, M., Sinniger, F., Iwase, F. (2008) Morphological and molecular characterization of a new genus and new species of parazoanthid (Anthozoa: Hexacorallia: Zoantharia) associated with Japanese red coral (Paracorallium japonicum) in southern Japan. Coral Reefs. 27: 935–949.

スナギンチャク類

日本初記録種「リュウグウサクラヒトデ」の発見

沖縄美ら海水族館では、沖縄近海にて捕獲されたヒトデを「リュウグウサクラヒトデ」と命名、日本で初めての記録として国際誌に論文を発表しました。桜色の美しいヒトデは、一般来館者の目を引く展示となりました。

Kogure Y, Kaneko A, and Mah CL (2009) A rarely encountered oreasterid sea star, Astrosarkus idipi, (Echinodermata, Astroidea), newly recorded from Japanese waters. Biogeography 11: 73–76.

新属新種「シンカイサンゴガニ」の発見

沖縄美ら海水族館では、沖縄近海水深247mより捕獲されたカニを「シンカイサンゴガニ」と命名、新属新種のカニとして国際誌に論文を発表しました。深海がまだ未知の領域であることを示すとともに、沖縄の生物多様性の高さを知らしめる、貴重な報告となりました。

Komai T, Higashiji T, Castro P (2010) A new genus and new species of deep-water trapezoid crab (Crustacea: Decapoda: Brachyura: Trapezioidea) from the Ryukyu Islands, Japan. Zootaxa 2555: 62–68.

日本初記録種「サボテンニチリンヒトデ」の発見

沖縄美ら海水族館では、沖縄近海にて捕獲されたヒトデを「サボテンニチリンヒトデ」と命名、日本で初めての記録(日本新記録種)として論文を発表しました。

木暮陽一・金子篤史.2010.沖縄諸島から得られた日本初記録のサボテンニチリンヒトデ(新称)Seriaster regularis(棘皮動物門,海星綱,ニチリンヒトデ目).日本生物地理学会会報,65:97–102.

「ナンヨウマンタ」の和名を提唱

オニイトマキエイ属には2種類いることがオーストラリアの研究者が発表、それに基づき沖縄美ら海水族館では、館内で飼育しているマンタは全てManta alfrediであるとし、その和名を「ナンヨウマンタ」と提唱しました。また、沖縄近海には「オニイトマキエイ」と「ナンヨウマンタ」の2種類が分布することを確認しました。

佐藤圭一・内田詮三・西田清徳・戸田 実・小畑 洋・松本葉介・北谷佳万・三浦晴彦.2010.南日本におけるオニイトマキエイ属(Genus Manta)2種の記録と分類,同定および標準和名の提唱.板鰓類研究会会報,46:11–19.

希少な宝石サンゴ類の長期飼育、展示に成功

沖縄美ら海水族館では、沖縄近海の水深250~300mから採取した宝石サンゴ類、アカサンゴ、モモイロサンゴ、シロサンゴの約3年の長期飼育に成功、「深海への旅」エリアで展示を実施しました。採取方法や飼育技術、展示の効果等は、2004年に沖縄で開催された第10回国際サンゴ礁シンポジウムにて発表、論文集に投稿し技術を公表しました。

Nonaka, M., Muzik, K., Uchida, S. (2006) Culture, study and display of precious corals. Proceedings of the 10th International Coral Reef Symposium. Japanese Coral Reef Society, Japan. 1821–1831.

CTスキャナーを用いた非破壊による生物の観察

沖縄美ら海水族館では、動物の治療目的にCTスキャナーを導入していますが、その新たな利用法として、生物標本を解剖や破壊をせずにその内部構造を確認する研究を進めました。ここでは、沖縄の深海で採取されたヤドカリ類を、宿としている貝殻やその外側に付着し共生しているスナギンチャク類も共に生きた状態で観察した例について、国際誌に論文を発表しました。

Reimer JD, Sinniger F, Nonaka M, Uchida S (2009) Non-invasive internal morphological examinatio of epizoic zoanthids utilizing CT scanners. Coral Reefs 28: 621.

加圧治療水槽の開発とその効果についての発表

深海から採取される魚類は、水圧の急激な変化から眼球や胃袋の飛び出しや血管内の気泡が生じるなど、様々なダメージを受けてしまう例が多くみられました。これらの治療のため、沖縄美ら海水族館では減圧治療用の加圧水槽を開発し、この水槽を用いた治療や、その効果について論文として公表しました。

Sato K, Kaneko A, Toda M (2010) Using the SGPT Chamber for Field sampling and long-term captivity of deep demersal fishes from tropical waters. In: Uchida S (ed) Proceedings of an International Symposium - Into the Unknown, Researching Mysterious Deep-sea Animals, February 23–24, 2007, Okinawa Churaumi Aquarium, Okinawa, pp 137–143.

「ハシキンメ」の水槽内での初期発生を解明

沖縄美ら海水族館では、館内で飼育している「ハシキンメ」を用い、その卵発生と幼生の成長を初めて解明しました。飼育魚類の初期発生を解明することは、魚類養殖などの産業振興に寄与するもので重要な研究であり、その成果は日本魚類学会誌に論文で発表されました。

Oka, S.and Higashiji, T. 2012. Early ontogeny of the big roughy Gephyroberyx japonicus (Beryciformes: Trachichthyidae) in captivity. Ichthyological Research, 59: 282‒285.

絶滅危惧種タナゴモドキの繁殖に成功

沖縄美ら海水族館では、絶滅危惧種タナゴモドキの繁殖に成功しました。タナゴモドキは、魚類の中で最少級の卵を産むため、仔稚魚の育成が非常に難しい魚。今回成功したことで、小型卵を生む魚の繁殖にも応用できるのではと期待しています。

タナゴモドキ

沖縄美ら島財団総合研究センター 海洋生物の調査研究について

沖縄美ら島財団総合研究センターでは、沖縄周辺にみられる熱帯・亜熱帯性の海洋生物の多様性研究や、生理学・生態学的特性を研究することにより、自然環境の保全と持続可能な利用に寄与する活動を行っています。また、沖縄美ら海水族館や国内外の研究機関と連携し、飼育下における希少生物の保全・繁殖学的研究、および生物学的研究を行っています。

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沖縄美ら海水族館年報

平成22・23年度 沖縄美ら海水族館年報 第8号

平成24年度 沖縄美ら海水族館年報 第9号

平成25年度 沖縄美ら海水族館年報 第10号

平成26年度 沖縄美ら海水族館年報 第11号

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