お知らせ
2018年03月15日 展示情報
沖縄美ら海水族館の深海コーナーにおいて、カラフルな深海生物「コトクラゲ」の展示を開始しました。本種は、国内での展示例もほとんどない、非常に貴重な深海生物です。
学名の種小名は天皇の意味を持つ「imperatoris」で、昭和天皇が採集した個体に基づき新種記載されたことから名付けられています。有櫛動物(ゆうしつどうぶつ)の仲間で、サンゴや泥底などに付着し、流れてくる餌を櫛状の触手を長く伸ばし捕まえます。個体ごとのカラーバリエーションが豊富です。
沖縄美ら海水族館「深海への旅個水槽」
6個体(全長約25cm)
採集当初全長10㎝ほどでしたが、その後1年以上の長期飼育に成功し、全長が30㎝近くにまで成長しています。
4月中旬まで(予定)
※生物の状況により期間前に展示を終了することがあります。
このたびの展示個体は、当館所有のROV(無人潜水艇)による深海調査中に、恩納村沖の水深200m付近などから発見。体が非常に脆く形状を維持したままの採取が極めて難しい本種ですが、ROVの吸引装置を用いることで、完全な状態で採取が可能となりました。
また、飼育下での繁殖(国内で2例目)にも成功しており、2017年11月に生まれた個体(全長約1.5cm)も今回「深海の小さな生物コーナー」にて展示を行っています。
当館では引き続き、希少な深海生物の長期飼育や繁殖に取り組み、その生態解明に取り組んでいきます。