お知らせ

2021年05月13日 展示情報

ザトウクジラの沖縄-フィリピン間の回遊が明らかに

沖縄美ら海水族館を管理運営する(一財)沖縄美ら島財団では、フィリピンの研究機関(BALYENA.ORG)と共同で、沖縄とフィリピンに回遊するザトウクジラを調査し得られた生物学的知見が、国際学術誌に掲載されましたので、お知らせいたします。

ザトウクジラ

≪ザトウクジラについて≫
学名:Megaptera novaeangliae

北太平洋のザトウクジラは夏にロシアやアラスカなどの高緯度海域で摂餌を行い、冬に沖縄、フィリピンなどの低緯度海域で繁殖や子育てを行います。尾びれの特徴より個体を識別することができます。

 

尾びれの特徴をもとに、両海域で確認されるザトウクジラの回遊について明らかにし、国際学術誌に報告しました。

図:沖縄とフィリピン間で同年内移動が最も多く確認されたオスのザトウクジラ(識別番号R-8、愛称ゼット)。

本研究の注目ポイント

●フィリピン周辺のザトウクジラのうち43.48%が沖縄で確認された個体と一致、さらに数個体が、同年内に両海域間を移動していたことも明らかになった。
その結果
● 両海域間の交流頻度や回帰の状況より、同集団である可能性を示唆される。

 

海洋生物の多様性や生態学的特性について調査することで、自然環境の保全と持続可能な利用、地域貢献に寄与する活動を行っています。今後も国内外の研究機関と連携し、野外・飼育下における希少生物の保全を目的とした生物学的研究を積極的に実施していきたいと考えています。

【詳細な結果は、国際学術誌に掲載されています】
掲載誌:Journal of Cetacean Research and Management 22(1):39-53, DOI 10.47536/jcrm.v22i1.201
論文名:Interchange and movements of humpback whales (Megaptera novaeangliae) between western North Pacific winter breeding grounds in northern Luzon, Philippines and Okinawa, Japan
著 者:Acebes J. M. V, Okabe H, Kobayashi N, Nakagun S, Sakamoto T, Hirney B, Higashi N, Uchida S.

沖縄とフィリピン間で移動が確認されたザトウクジラ個体(識別番号R-8、愛称ゼット)の尾びれ実物大レプリカは、
美ら海プラザ内(水族館出口エスカレーター下)美ら海“出会い”の広場で展示しています。

このページに関するお問い合わせ先

沖縄美ら海水族館

TEL:0980-48-3748FAX:0980-48-4444

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