お知らせ
2021年11月01日 展示情報
沖縄美ら海水族館では日本で初めて確認された巨大なウミヘビ「ヨウリンウミヘビ」の標本展示を開始しましたのでお知らせいたします。
≪ヨウリンウミヘビ(新称)≫
学名:Hydrophis stokesii
インド-太平洋地域の温かい海に広く分布する爬虫類のウミヘビで、コブラの仲間です。全長約175cm、体重3660gの巨大な個体で、漁師さんの網にかかったものを譲り受けました。 本種は繁殖様式が卵胎生であることや、毒液を注入する長い牙をもつことが知られています。
2021年3月30日、国頭村奥間にて種類が判別できないウミヘビの仲間が採集されました。外部形態の確認とミトコンドリア遺伝子の解析を行ったところ、これまでに日本から発見記録がないHydrophis stokesii であることが明らかとなりました。捕獲された個体は、全長1748mm(鼻先から総排泄孔までの長さ1545mm+尾の長さ203mm)、体重3660g であり、沖縄県で確認されている他種と比較するとかなり大型です。発達した卵胞を保持していたことから、メスの成体であることがわかりました。本種の特徴である葉形状の腹板(お腹の鱗)をもつことにちなみ、和名「ヨウリンウミヘビ(葉鱗海蛇)」が提唱されました。 ヨウリンウミヘビは、1846 年オーストラリアで新種として発見され、ペルシャ湾から南シナ海、東南アジア、オーストラリア東部までインド-太平洋地域の温かい海に広く分布するとされてきました。これまで分布の北限は、1974 年に台湾南西部で採集されたものでしたが、今回の発見により、北限記録が47 年ぶりに北東方向に約900km更新されました。
2Fサンゴ礁への旅「サンゴの部屋」
※展示は予告なく変わる場合がございます。
ヨウリンウミヘビ(液浸標本) 全長約175cm,体重3660g