お知らせ
2024年12月02日 施設情報
オキゴンドウ「もも」「ライズ」について、2024年11月8・11日にそれぞれ死亡が確認されました。
オキゴンドウは世界中の暖かい海に広く生息し、黒くて大きな頭が特徴です。
「もも」は、主にオキちゃん劇場イルカショーで活躍し、長い間多くの来館者に親しまれてきました。
「もも」は、2020年に第2仔「ライズ」を出産。 国内におけるオキゴンドウの3例目となる繁殖個体で、約2000件もの一般公募のなかから愛称がつけられました。 2022年には親子揃ってイルカショーに登場し、多くの方々に愛されてきました。
親子は同じプールで暮らし、出生時「ライズ」の体長は175㎝(推定)でしたが、3歳を過ぎ体長328㎝まで成長しました。
「ライズ」は2023年8月末より感染症を疑い、治療および検査の結果、2024年4月に抗酸菌による感染を認めました。 ほぼ同時期に母親の「もも」についても細菌・真菌感染症の疑いにより治療を開始し、9月末に抗酸菌が認められました。 私たちは「もも」「ライズ」とともに懸命な治療を行ってきましたが、2024年11月8日に「もも」の様態が急変しその後死亡を確認、「ライズ」についても3日後の2024年11月11日に様態が急変し、その後死亡が確認されました。
「もも」「ライズ」は鯨類の生態研究にも大きく貢献し特に、鯨類の繁殖生態や獣医学に関連する多くの知見を残してくれました。
これらは、今後の鯨類の繁殖や健康管理技術の向上に寄与すると考えています。
沖縄美ら海水族館では、今後も飼育を通して得られた生態的および獣医学的知見、それに基づいた健康管理技術を活かし、野生鯨類の保全に貢献していきたいと考えています。
・Funasaka N, Yoshioka M, Ueda K, Koga H, Yanagisawa M, Koga S, Tokutake K. 2018. Long-term monitoring of circulating progesterone and its relationship to peripheral white blood cells in female false killer whales Pseudorca crassidens. Journal of Veterinary Medical Science, 18-0075. doi.org/10.1292/jvms.18-0075
・Higa S, Hidaka R, Kobayashi N, Kawazu I. Changes in Body Girth and Intermammary Distance during Pregnancy in a False Killer Whale(Pseudorca crassidens)in Managed Care. Aquatic Mammals, in press.
・Higa S, Mitani Y, Ikeshima S, Kobayashi N, Ueda K, Kawazu I. 2023. Parturition and Nursing Events in a Cephalic Birth of a False Killer Whale (Pseudorca crassidens) in Managed Care. Aquatic Mammals, 49(3).