お知らせ
2019年11月29日 展示情報
この展示は終了しました
沖縄美ら海水族館ではこの度、世界初となる「グルクマ」の繁殖に成功し、展示することとなりましたので、お知らせいたします。
≪グルクマ≫
学名:Rastrelliger kanagurta
英名:Indian mackerel
太平洋やインド洋の熱帯海域に広く分布するサバの仲間。成魚は全長40cmほどで、体はやや側扁する。マサバやゴマサバに比べると小型で体高が高く、また、背中側は黄緑色の地に黒い斑点列が縦方向に並んでいて、体色や模様も異なる。
沖縄県の方言名「グルクマー」が名前の由来となっている。沖縄本島北部の国頭村から名をとって「クンジャンサバ」とも呼ばれ親しまれており、最近では活魚として流通している。
グルクマは、「黒潮の海」大水槽において展示されており、大きな群れをつくり泳いでいます(写真左)。これらのグルクマから産卵期に受精卵を回収し、育成用の水槽で孵化させました。
課題であった初期の育成にも成功し、現在では全長15cmほどに成長(写真右)しています。
今回繁殖したグルクマは、水族館に隣接する総合休憩所美ら海プラザ内にて展示しています。
グルクマ幼魚には、成魚のように体側の縦縞模様がみられないので、「黒潮の海」大水槽で飼育している成魚と見比べながら、特徴的な姿を是非ご覧ください。(※生物の状況により展示を終了することがあります。)
今回の繁殖成功を通して、グルクマの初期餌料や仔魚期の成長等に関する知見を得ることができました。これらの知見は、本種の種苗生産技術や養殖技術に寄与することが期待できます。沖縄美ら海水族館では、海洋生物の繁殖研究を通して、生態の解明を行っていくとともに、産業振興にも寄与していきたいと考えています