お知らせ
2019年12月11日 展示情報
沖縄美ら海水族館ではこの度、新種のイソギンチャクを発見し、東京大学大学院の泉貴人氏、鹿児島大学国際島嶼教育研究センターの藤井琢磨博士、千葉県立中央博物館分館海の博物館の柳研介博士、国立科学博物館の藤田敏彦博士らと共同で新種記載論文を公表しました。
また、本種の世界初となる展示を開始しましたので、お知らせいたします。
≪チュラウミカワリギンチャク≫
学名:Synactinernus churaumi
本種の属するクローバーカワリギンチャク属は、1918年に記載されて以来、101年間1属1種のみという、非常に稀少なグループでした。
約1世紀ぶりに新種記載された本種は、既知種と比較して体サイズが3~5倍に大きく成長すること、触手の本数が2倍程度(300-400本)となること、口盤の縁が完全な8葉となることなどから、新種として認められました。
沖縄美ら海水族館「深海の小さな生き物」
7個体 全長約20㎝
※生物の状況により展示を終了することがあります
新種個体は、2018年9月に当館所有のR0V(小型の無人潜水艇)により、沖縄県恩納村沖の水深320m付近から捕獲した個体などを基に記載しました。
またROV調査により、本種が潮通しの良い海底の岩礁に群れを成して生息する様子の撮影に成功しており、自然下での生態の一端を解明しました。
当館では今後も引き続き、沖縄周辺海域での深海調査や飼育展示を通し、希少な深海生物の生態解明に繋げていきます。