お知らせ
2021年11月05日 展示情報
(ウミガメの死亡漂着個体から見つかった人工物)
海洋生物に対する海洋ゴミの影響は、世界各地から報告されています。沖縄美ら海水族館を管理運営する沖縄美ら島財団は、1990年から2019年の約30年間、沖縄島の沿岸に死亡漂着したウミガメ484個体の消化管を解剖し、内容物の分析を行ってきました。その結果、アオウミガメでは15%、タイマイでは29%、アカウミガメでは24%の個体が海洋ゴミを摂食していました。特に、アオウミガメについて日本各地からの先行報告と比較した結果、アオウミガメによる海洋ゴミの摂食割合は、北へ行くほど高いことが判明しました。また、ゴミの種類別でみると、アオウミガメはビニール、ロープ・釣糸の出現頻度が高く、タイマイやアカウミガメではプラスチック片の出現頻度が高い傾向がみられました。
海洋博公園・ウミガメ館では、これらの調査で得られた成果をパネル展示するとともに、実際にウミガメの消化管内から見つかった海洋ゴミの標本の展示を行います。
沖縄美ら海水族館では、今後もデータを蓄積し、海洋ゴミがウミガメに及ぼす影響について科学的な理解を深め、ウミガメの生態解明や保全に貢献していきたいと考えています。
今回の結果は、科学的知見として国際学術誌に掲載されました。詳細は下記をご覧ください。
掲載誌: Marine Turtle Newsletter 163: 21-24 (2021)
タイトル: Evaluation of Marine Debris Ingestion in Sea Turtles around Okinawa Island, Japan.
著者: 笹井隆秀,木野将克, 宮本圭, 岡部晴菜,前田好美,深田晋悟,真栄田賢,小林希実,小淵貴洋,真壁正江,河津勲