お知らせ
2022年04月28日 展示情報
沖縄美ら海水族館ではハタゴイソギンチャクの繁殖に世界で初めて成功し、繁殖個体の展示を4月29日(金)より開始しますので、お知らせいたします。
≪ハタゴイソギンチャク≫
学名:Stichodactyla gigantea
インド洋~西太平洋のサンゴ礁域に広く分布する。
日本では奄美諸島以南に生息し、直径が50㎝に達する大型のイソギンチャク。
有藻性サンゴ同様、体内に褐虫藻と呼ばれる植物プランクトンを持ち、光合成によって作られた養分を吸収する。
多数の触手が口盤(体の上面)を覆いつくし、口盤縁辺はひだ状に波打つ。本種にカクレクマノミが共生することがよく知られている。
ハタゴイソギンチャクは観賞用としても人気がある一方、性別の識別が難しいことなどの理由により、本種の繁殖技術はこれまで確立されていませんでした。
当館では、独自に開発した方法で雌雄を判別して飼育することで、2020年と2021年に本種の産卵を確認しました。
また、この時得られた卵を育成し、稚イソギンチャクにまで成長させることにも成功しました。
今回水族館で繁殖したハタゴイソギンチャクを、同じく当館生まれのカクレクマノミとともに展示いたします。
サンゴ礁への旅 個水槽「サンゴ礁の小さな生き物」
ハタゴイソギンチャク(2021年生まれ)、カクレクマノミ(2022年生まれ)
2022年4月29日(金)~
※生物の状況により展示を終了することがあります。
本種の飼育や繁殖を通して、産卵行動や成長による形態変化などの新たな知見を得ることができました。
本種は乱獲により個体数減少を危惧されていることから、今回の繁殖技術が保全にも貢献すると期待されます。
ハタゴイソギンチャクの放卵放精の映像は、海洋博公園・沖縄美ら海水族館公式YouTubeでご覧いただけます。