お知らせ
2022年09月06日 展示情報
沖縄美ら海水族館のウミガメ館において、水族館生まれのアカウミガメの繁殖に成功し、その内容がアメリカの両生爬虫類学会が出版しているHerpetological Review誌に掲載されましたのでお知らせいたします。
≪アカウミガメ≫
学名:Caretta caretta
ハート型の甲羅と、他のウミガメ類と比べて大きな頭部が特徴。北太平洋においては、日本が主な産卵場で屋久島を中心に、南西諸島から本州にかけて産卵が確認されている。
国内での産卵上陸頭数は1990年以降から現在にかけて減少傾向にあり、IUCN(国際自然保護連合)のレッドデータにも掲載され、絶滅が危惧されている。
当館では1995年から繁殖、2017年には3世代目の累代繁殖に成功した。また、1980年代に当館が放流した仔ガメがアメリカ西海岸で発見され、太平洋横断が初めて証明された。
ウミガメ類の性成熟がはじまる年齢を調べることは非常に難しく、飼育下で繁殖させて確かめる方法が最も有効です。
当館では1995年に水族館で生まれた雌のアカウミガメを飼育しながら、毎年、エコーによる生殖腺(卵巣)の観察や直甲長の計測を行ってきました。
その結果、飼育下でのアカウミガメの性成熟が18‐22才で開始することが明らかとなり、3世代目の累代繁殖成功も含めた本結果が、アメリカの両生爬虫類学会が出版しているHerpetological Review誌に掲載されました。
今年も2003年生まれの父ガメと1995年生まれの母ガメによる累代繁殖に成功しました。
今年生まれた仔ガメの様子は、ウミガメ館でご覧いただけます。(親ガメとは別水槽での展示となります)
当館では引き続き、ウミガメ類の飼育下繁殖や飼育展示を通して、繁殖生態の解明や種の保存に貢献したいと考えています。
著 者:Fukada S, Kawazu I, Maeda K, Kobuchi T, Makabe M, Kino M, Maeda K, Omata M, Sasai T
(全員、沖縄美ら島財団の飼育スタッフ)
タイトル:Breeding success of captive F2 generation of loggerhead turtle in Okinawa Churaumi Aquarium.
雑 誌:Herpetological Review