沖縄美ら海水族館では、希少種の保存や保全に寄与するため、飼育下での繁殖を推進し、海洋生物の繁殖生理および生態を研究する活動を行っています。
沖縄美ら海水族館では、イバラエイの2度目の飼育下繁殖に成功し、赤ちゃんエイの公開を開始しました。
2022年に世界初の繁殖に成功した個体の誕生時の体重とほぼ同じで、現在すくすく成長中、「黒潮探検(水上観覧コース)」からご覧いただけます。
【展示個体】
2024年9月4日誕生
メス
誕生時の体幅:50.0㎝,体重:13.3kg
【種 類】
和名:イバラエイ
学名:Urogymnus asperrimus
沖縄美ら海水族館では、環境省が「国内希少動植物種」に指定し、環境省レッドリストⅠA類(CR)、沖縄県レッドリストⅠ類(CR+EN)で、南大東島のみに生息するオオアガリマイマイ、北大東島のみに生息するヘソアキアツマイマイ、沖縄本島南部にのみ生息するアマノヤマタカマイマイに繁殖に成功しました。
【種 類】
和名:オオアガリマイマイ
学名:Nesiohelix omphalina bipyramidali
沖縄県南大東島のみに生息する固有のカタツムリの仲間です。
別名「サメハダヘソアキアツマイマイ」といい、殻の表面に鮫肌状の微細突起があります。
開発等による生息環境の減少や特定外来生物である「ニューギニアヤリガタリクウズムシ」による被食の影響で極めて絶滅の危機に瀕しています。
【展示開始日】
2023年4月28日
【種 類】
和名:ヘソアキアツマイマイ
学名:Nesiohelix omphalina omphalina
沖縄県北大東島のみに生息する固有のカタツムリの仲間です。 厚い殻をもつ、「アツ(厚)」マイマイの仲間で、オオアガリマイマイ同様に 開発等による生息環境の減少や特定外来生物である 「ニューギニアヤリガタリクウズムシ」による被食の影響で極めて絶滅の危機に瀕しています。
【展示開始日】
2023年4月28日
【種 類】
和名: アマノヤマタカマイマイ
学名: Satsuma amanoi
沖縄本島南部に生息する樹上性のカタツムリの仲間です。 近年では、沖縄県の指定外来種の「ヤエヤママドボタル(別名:オオシママドボタル)」による捕食の影響によって個体数がかなり激減し、多くの研究者が調査をしても数個体しか見つからない場所もあるなど、近い将来、野生下で絶滅の可能性が極めて高い種類です。
【展示開始日】
2024年8月1日 ※展示は2024年8月31日までの予定
2024年8月5日(月)、元気なブラックマンタ(ナンヨウマンタの黒化個体)の赤ちゃんが誕生しましたのでお知らせします。
出産当日の朝から、母個体の総排泄孔が開く等の出産兆候がみられ、18時55分に胎仔の体の一部が出てきたのを確認、19時02分に出産しました。生まれた仔マンタは全身が黒色で、体盤幅160cm、体重42kgのメスです。ブラックマンタが飼育下で繁殖した事例は世界初となります。
赤ちゃんマンタバックヤードの水槽に移され、元気に遊泳しています。
【誕生日時】
2024年8月5日 19時02分
【種 類】
和名:ナンヨウマンタ
学名:Mobula alfredi
沖縄美ら海水族館では、アイフィンガーガエルの繁殖に成功し、当館での初展示を開始しました。本種は、日本では石垣島と西表島にのみ生息しており、樹洞などの溜まり水に産卵します。雌は無精卵を産み、それを幼生が食べるという、非常に珍しい繁殖行動を示します。
今回展示するアイフィンガーガエルは、当館で昨年孵化し、水から上陸した子ガエルです。本種は生息地の損失により、絶滅の危機に瀕しています。沖縄美ら海水族館では、アイフィンガーガエルの保全のため、繁殖を通した生態研究にも積極的に取り組んでいます。
【展示開始日】
2024年8月1日
【種 類】
和名:アイフィンガーガエル
学名:Kurixalus eiffingeri
沖縄美ら海水族館では、沖縄県指定天然記念物である「クロイワトカゲモドキ」の飼育下繁殖に3年連続で成功しました。クロイワトカゲモドキは飼育が難しい種ですが、当館では長年の研究により、2021年に世界初の繁殖に成功し、その後も毎年安定した繁殖成果を挙げています。
今回展示を開始するクロイワトカゲモドキは、昨年の秋に当館で孵化した幼体です。この繁殖成功により、これまで野生下では観察が難しかった孵卵温度や成長速度の一部が解明されました。
クロイワトカゲモドキは違法採集や生息地の開発により野生個体数の減少が問題となっています。当館では引き続き繁殖技術の向上に努め、本種の保全に貢献したいと考えています。
【展示開始日】
2024年8月1日
【種 類】
和名:クロイワトカゲモドキ
学名:Goniurosaurus kuroiwae
2024年に生まれた「クロウミウマ」の幼魚との親子展示をしました。
タツノオトシゴの仲間のクロウミウマは、生息環境の悪化や乱獲・混獲などにより生息数が減少していることから、ワシントン条約により国際取引が規制されると共に、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにおいて危急種に指定されています。沖縄美ら海水族館では、本種の保全のため、繁殖を通した生態研究に取り組んでいます。
【展示開始日】
2024年7月7日
【種 類】
和名:クロウミウマ
学名:Hippocampus kuda
沖縄美ら海水族館では、「シライトイソギンチャク」の繁殖個体を世界で初めて展示しました。
シライトイソギンチャクは外見での雌雄の識別が難しく、当館では独自に開発した方法で雌雄を判別し飼育することで受精卵を確認、2023 年に繁殖に成功しました。 (今回の繁殖は、当館にて2020 年に世界で初めて成功した「ハタゴイソギンチャクの繁殖」の技術を応用しています。)
本種を含めクマノミ類が共生するイソギンチャクは観賞用として人気が高く、捕獲による個体数の減少が危惧されています。
当館では引き続き、本種の繁殖生態解明に取り組むとともに、この繁殖技術を他種にも応用することで、クマノミ類が共生するイソギンチャクの保全に貢献したいと考えています。
【展示開始日】
2024年6月6日
【種 類】
和名:シライトイソギンチャク
学名:Heteractis crispa
沖縄美ら海水族館は、東京大学と共同で、15年間にわたり水族館内で得られたサンゴの産卵期に関するデータを解析し、サンゴの同調産卵の謎について研究しました。
造礁サンゴの中でも代表的なミドリイシ属のサンゴは、初夏の満月の前後に配偶子を一斉に放出する「同調産卵」を行うことが知られています。これまで野外では、産卵月直前の水温が高いほど、産卵時期が全体的に早まることが知られていました。水族館でも同様の傾向がみられ、直近の水温が高く、降雨量、日射量が大きいほど、産卵のピークが前倒しになり、早めに産卵する個体が増えることがわかりました。産卵ピークの微調整については、野外での観察が困難です。本研究は、水族館での長期飼育により、初めて明らかになったミドリイシ属の産卵戦略の一端と考えられます。
令和6年5月24日14時47分頃、沖縄美ら海水族館では日中に生まれたサンゴが親となり、産卵する累代繁殖に成功しました。
【日中でのサンゴの放卵放精(産卵)】
サンゴ(ミドリイシの仲間)では、卵と精子の入った「バンドル」と呼ばれる直径約1mmのピンク色のカプセルを放出し、そのカプセルが海面ではじけて受精が行われます。
沖縄島近海に生息するほとんどのミドリイシ類は5~6月の満月付近、日暮れから数時間後の夜間に産卵することが知られています。
お客様から「サンゴの産卵をみたい」という要望が多いですが、通常、サンゴの産卵は夜間に行われるため、産卵する様子をお客様が観察することができませんでした。
そこで、沖縄美ら海水族館では水槽の照明環境を調整することでサンゴの産卵時間をコントロールする技術を2020年に開発、翌年から毎年、日中に産卵するサンゴを展示することに成功しています。
今年は、2020年の日中に水槽で生まれ、育ったサンゴが親になり産卵することに成功しました。
【日 時】
2024年5月24日14時47分頃(コエダミドリイシ)
2024年5月25日14時40分頃(クシハダミドリイシとコエダミドリイシの一部)
【場 所】 沖縄美ら海水族館 サンゴ礁への旅 個水槽 種類
【種 類】
和名:コエダミドリイシ
学名:Acropora microphthalma
和名:クシハダミドリイシ
学名:Acropora hyacinthus
沖縄美ら海水族館では、独自開発したサメの人工子宮装置から生まれ、1歳を迎えた「ヒレタカフジクジラ」の仔ザメを展示しました。
水族館では、2022年4月28日からサメの人工子宮装置内で約1年間育成し、2023年4月10日に人為出産(通常の海水飼育に移行)に成功、さらに約1年間飼育しました。出産時には15cmだった全長が1年をかけて18cmまで成長したことや、吻部を餌に押し付けて摂餌する行動等、新たな知見が得られました。
当館では、飼育展示・調査研究を通して、本種をはじめ多様な海洋生物の生態解明に引き続き取り組んでまいります。
【展示開始日】
2024年4月25日~
【種 類】
和名:ヒレタカフジクジラ
学名:Etmopterus molleri
このたび沖縄美ら海水族館では、オガサワラツブリ、クロイワトカゲモドキ、ヒョウモンドジョウの3種につきまして、2023年度の初繁殖認定を受けました。
初繁殖認定は、(社)日本動物園水族館協会に加盟する園館で、飼育動物の日本初繁殖に成功した団体に与えられます。当館では、今後も飼育動物の繁殖を推進し、繁殖生態の解明や種の保護に繋げていきます。
沖縄美ら海水族館で取り組んでいるウミガメの繁殖研究に関する活動が、令和5年度の日本動物園水族館協会(JAZA)「古賀賞」を受賞しました。
当財団としては1987年に受賞して以来36年ぶりとなります。
【受賞タイトル】
ウミガメ類の飼育下繁殖を通した生態および保全研究
【古賀賞とは】
希少動物の繁殖に特に功績のあった動物園や水族館に対して贈られ、繁殖が難しく世界的にも重要な種の繁殖に成功した場合に与えられる栄誉にみちた国内最高の賞。
JAZA設立に多大なる功績のあった、元上野動物園園長・古賀忠道博士の業績を記念して昭和61年に制定された。
【受賞内容】
IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストやCITES(ワシントン条約)の付属書Ⅰ類に掲載されているウミガメ類の繁殖に取り組み,アカウミガメ,アオウミガメ,タイマイおよびクロウミガメのF1世代(第一代)の繁殖,そのうちアカウミガメおよびタイマイに関してはF2世代(第二代)の累代繁殖に成功しました.この業績は,28年間にわたり各種飼育下研究の成果であり(英文誌13編,和文誌3編,計16編の科学雑誌に掲載),ウミガメ類の生息域外保全技術の向上に大きく貢献したことが「古賀賞」に値すると高く評価されました。令和5年5月24日に開かれたJAZA総会において表彰式とともに古賀賞表彰受賞講演が行われました。
このたび、沖縄美ら海水族館ではシマツノコシオリエビ、ヤスリヤドカリ、ナカモトイロワケハゼの初繁殖認定を受けました。
初繁殖認定は、(社)日本動物園水族館協会に加盟する園館で、飼育動物の日本初繁殖に成功した団体に与えられます。当館では、今後も飼育動物の繁殖を推進し、繁殖生態の解明や種の保護に繋げていきます。
沖縄美ら海水族館イルカラグーンにて、2022年4月1日(金)、元気なバンドウイルカの赤ちゃんが誕生しました。
沖縄美ら海水族館ウミガメ館においてタイマイ、アオウミガメ、アカウミガメの繁殖に成功しました。
沖縄美ら海水族館イルカラグーンにて、7月11日(日)6:57 元気なオキゴンドウの仔が誕生しました。
沖縄美ら海水族館マナティー館にて、6月16日(水)7:33 元気なオスのマナティーが誕生しました。
沖縄美ら海水族館では、2021年5月23日(日)、24日(月)13:55~14:25に日中のサンゴ(コエダミドリイシ)の産卵(放卵放精)に成功しました。沖縄で最もよく見られるサンゴであるミドリイシの仲間は、卵と精子の入った「バンドル」と呼ばれる直径約1mmのピンク色のカプセルを放出し、そのカプセルが海面ではじけることで受精が行われます。沖縄島近海では5~6月の大潮付近の夜に産卵が行われると言われており、その産卵時間は種によって異なります。殆どのミドリイシの仲間では、日没後の数時間で産卵を行うことが知られています。 今回、水槽の照明点灯時間を徐々に調整することで、昼と夜を逆転した環境を整え、日中での産卵に成功しました。
当館ではこの技術を活用することで、サンゴの産卵生態解明に寄与するとともに、多くの方にサンゴの産卵を開館時間中にご覧いただける機会を提供したいと考えています。
このたび、沖縄美ら海水族館と沖縄美ら島財団総合研究センターにて、独自に開発したサメの人工子宮装置を用い、深海性の発光するサメ「ヒレタカフジクジラ」胎仔の長期育成と人為的な出産に成功したのでお知らせいたします。
このたび、沖縄美ら海水族館ではオキゴンドウ、クロウミガメおよびグルクマの繁殖賞を受賞しました。
繁殖賞は、(社)日本動物園水族館協会に加盟する園館で、飼育動物の日本初繁殖に成功した団体に与えられます。 当館では、今後も飼育動物の繁殖を推進し、繁殖生態の解明や種の保護に繋げていきます。
5月31日(日)、沖縄美ら海水族館「サンゴの海」水槽で、サンゴの放卵放精(産卵)を確認しました!
沖縄美ら海水族館ではこの度、世界初となる「グルクマ」の繁殖に成功し、展示することとなりましたので、お知らせいたします。
沖縄美ら海水族館 ウミガメ館では、今年も繁殖シーズンを迎え、2017年に引き続き、タイマイ、アカウミガメ、クロウミガメ、アオウミガメの4種のウミガメの産卵、ふ化に成功しました。ウミガメの仔ガメを4種同時に見ることができるのは世界でも当館だけです。
2019年6月3日、沖縄美ら海水族館「サンゴの海」水槽で、サンゴの放卵放精(産卵)を確認しました!
沖縄美ら海水族館ではこの度、水族館で生まれた5歳のノコギリザメに加え、2歳のノコギリザメも新たに展示しますのでお知らせいたします。
ウミガメ館では、飼育下におけるタイマイの3世代目の繁殖に世界で初めて成功しました。
沖縄美ら海水族館ではこの度、ナヌカザメの赤ちゃんが誕生しました。
沖縄美ら海水族館『深海の小さな生き物』コーナーで、このたび、オオタルマワシの赤ちゃんが誕生しました。
2018年6月12日、沖縄美ら海水族館「サンゴの海」水槽で、サンゴの放卵放精(産卵)を確認しました。
沖縄美ら海水族館では5月24日、『サメ博士の部屋』水槽でヤジブカの赤ちゃんが誕生しました。
9匹の仔ザメたち(全長60 cm~70cm)は水族館のバックヤードにある水槽で元気に泳いでいます。
海洋博公園・ウミガメ館では、2017年8〜10月に、国内では稀種である「クロウミガメ」の繁殖に初めて成功しました!
海洋博公園イルカラグーンにて、5月23日(火)8:15にオキゴンドウの赤ちゃんが産まれました。
海洋博公園・ウミガメ館では、飼育下におけるアカウミガメの3世代目の繁殖に成功しました。
今回繁殖に成功したのはウミガメ館にて1995年に誕生したメスのアカウミガメで、5月から6月にかけて産卵した
卵より、22匹の赤ちゃんガメが誕生しました。
2017年6月8日、沖縄美ら海水族館「サンゴの海」水槽で、サンゴの放卵放精を確認しました。
3月23日(木)お昼頃~夕方にかけ、当館「危険ザメの海」水槽にて、27匹のイタチザメの赤ちゃんが生まれました。
大きさは平均約75cm程度。イタチザメは英名でTiger sharkと呼ばれ、生まれた赤ちゃん背中には、くっきりとした虎模様が
入っています。この模様は成長するにつれて薄くなっていきます。
2016年6月13日、沖縄美ら海水族館「サンゴの海」水槽で、サンゴの放卵放精を確認しました。
古賀賞は、希少動物の保護増殖に大きく貢献された日本動物園水族館協会元会長、古賀忠道博士の功績を記念するとともに、古賀博士からの寄付金を基金として1986年に制定された賞です。
表彰は、下記の分野においてすぐれた業績をあげて、動物園や水族館での繁殖技術の向上に特に功労があったものに対して、表彰されます。
沖縄美ら海水族館は第1回(昭和62年度)に「ネムリブカの水槽内2世代繁殖」で受賞しました。